有刺鉄線の先の鉄塔の軋む音

 雪がそれはもうめちゃくちゃに降っています。今日買い物に行こうかなと思っていたんですが。

 少し前に上司二人といるとき結婚の話題になりいい人いないのというようなことを聞かれ、適当にかわすのが面倒だったのもあるし二人ともとてもお世話になっている好きな上司でかなり心を開いてるので正直に「結婚(というかそもそも異性と付き合うことが)できない人間ということは前々から自覚しているし、だからそういう感情を持っても意味がないので異性にそういう意味での好意を持たないように努力していたら実際に持たなくなった(そう思ってるだけかもしれないけど)」(括弧内のことは言ってません)と言った。たぶんそのせいだと思うんですけど、つい先日その時の上司のうちお一人と雑談していると、どういう話の流れだったか忘れましたが、ふと「(私)さんもいつかお母さんになるんだねぇ」とおっしゃる。そんな時は永遠に来ませんよ、申し訳ないけれど、とはさすがに言えないし、かと言って以前のことがあったので軽々しく同意もできず黙っていると、「ぼくも結婚おそかったんですけど、結婚ってわるいもんじゃないよ」ときっと本当に心の底から善意でそう言ってくれたので(そうじゃなくても少なくとも悪意じゃなかろうとは思いたい)、別に悪いもんだとは思ってないですよとだけ言っておいた。それは知ってるんだけどなあ。むしろいいものだと思ってるから、自分にはそれを遂行する能力がないなあ、結婚をちゃんとできないに違いなくその結果として子供を生むこともない欠陥人間で世の中には申し訳ないなあ、と思ってるんだけどなあ。