近況

 今ほんの少しだけ仕事が落ち着いている。嵐の前の静けさという感じです。いやそこまで言う程暇ではないな。

 私は自分の仕事をとくに好きではないしものすごく誇りに思っているというのでもなく、更に言えば全く適性がないと思うが、うまくいく(私は極度に能力がないのでこの「うまくいく」の指すところのハードルは大変低い)とうれしいし、好きな人に褒められるとかなりうれしい。上司(かわいい)はいくら社交辞令だとかリップサービスにしても何か勘違いしているのではないかというくらいに私を「ものすごく成長した」と考えているきらいがあるのでむしろ不安を覚えるけど、そんな風に言われて嬉しくならない訳がない。もっとちゃんとしたいといつも思っている。今思いましたがもしかしたらそれを狙ってわざと言い聞かせるように褒めてるのかなあ。そうだったらすごい上司だ。

 昨年は一方的に他人に迷惑を掛ける側だったけど、今は迷惑を掛けられることも時にある。私のせいじゃないんだけどなあ、と思いつつ他人に謝ることも増えた。とはいえ私はこれまで他ならぬ自分のせいで他人に謝り通しだったので謝罪には慣れているし、とにかく先回りして謝っておけば許して貰えたり大目に見て貰えることは意外に多いということを学習してしまいこれを乱発するようになってしまった人間の屑なのでとくに抵抗はない。挨拶の如く電話口で申し訳なさそうな声色を出すことができる。大体散々他人に迷惑を掛けておきながら自分が迷惑を掛けられるのを嫌がる権利はないと思うし……。

 ただ、ということはきちんとしている人は一方他人に迷惑を掛けられるのを理不尽と感じたり、「なんでこの人こんなにできないんだろう」と思ったりするんだろう。それは理屈では分かっていたけど、この間とても仕事のできる方(面識はある人)が他の人に迷惑を掛けられて、当人が去った後にばかだのあほだの罵ってるのをいざ聞いてしまい大分気が滅入った。部外者(私)のいる前で言うなよなあ。私は自分がばかなのでばかでも生きるのを許される世界がいいなと思った。