無題

 世の中いろんな人がいるんだなという断片は去年までである程度分かったつもりでいたが、全然分かっていなかったようだ。

 いい子ぶっているようだけど、おまえ、それが人間が人間に対してやることかよ、という事実が世の中には随分多い。何も知らなかっただけだったんだなと思うとかなりショックだ。

 

 そういう掃いて捨てるほどある現場のうちひとつ(相対的に言えばかなりマシな方)で、私は偽善者で沸点が低く見切りをつけるのが早いので、こいつら何もわかってないな、駄目だ、と思って不貞腐れた態度をとってしまった。後で、あれどうにかなると思いますか、私どうせ何も変わらないと思うんですけど、と先輩に訊いたら、俺はどうにかなると思う、と言っていたので、自分の人間性を恥じた。