無題

今週のお題「思い出の先生」

 これまで好きな先生はたくさんいて、その中でも一等好きで今もとても尊敬している大学の先生のことについて書こうと思いましたが、いい思い出がありすぎてこれというのがない。でも書きます。

 就職がほぼ決まったのち、そこへ提出する書類を取りに行くために久々に大学へ行った時があった。その帰りに学校の最寄駅のホームですれ違った人に名前を呼ばれた気がして「もしかしてC先生かな」とも瞬時に思ったんだけど、C先生が好きすぎるあまりの幻聴だろうと考えて一旦そのまま通り過ぎた。

 でもどうにも気になって、その場を離れてちょっと遠いところから声のした辺りを探してみた。するとまさにそのC先生がいて、しかも目があって会釈してくれた。これは話し掛けに行っても許されるのでは?と思ったけど、以前遭遇した時に勢いで話し掛けたことを後悔していたのでためらっているうちに完全にタイミングを失ってしまった。でも先生に会えただけでいい日だ、と神に感謝しつつ電車に乗り込むとなぜか別の車両に乗っていたはずの先生がこっちへ来るので、え、え、と思っているとやっぱり私の隣に座る!!なぜ!!さっきの会釈で終了って感じだっただろ!!ああ〜〜〜そうだった〜〜〜!!この先生こういうタイプだった〜〜〜〜!!!とめちゃくちゃ焦って脇汗をかきながら雑談をするはめになった。もうわけがわからないまま口を動かしていたのであんまり話題を思い出せないのだけど、途中で私の就職の話になった。

 私は第一志望のところへ入ることができなくて、でもそれでも第二志望のところもそれなりのところだったし、第一志望のところもどうしても行きたい!!という感じではなかったしでさほど落ち込んでいるつもりはなかった。家族にも別に責められなかったし、むしろ私が落ち込んでいるのではと思って労わられていた。第二志望のところだってまあまあだし、むしろ普通私の第一志望のところと第二志望のところだったら大概の人は第二志望のほうを選ぶし、まあそれでも私が行きたかったのは第一志望のほうだったんだけど、まあそんなにあぶなそうでもないところにちゃんと就職が決まっただけで私にしちゃあ上出来も上出来、と考えているつもりだった。

 そういうわけで、先生に気を遣わせると悪いなと思ったのもあり、なるべく軽い感じで「どこどこに落ちちゃって、こっちに行くことになったんですよ」と言った。すると先生は「そこは結構きついって聞くから、こっちでよかったね」と答えた。衝撃だった。それは私に気を遣っての返事には間違いないんだけど、でも変な話その時初めて「許された」と思った。多分初めて心から「落ちたけど大丈夫」と思えたし、先生がそう言うならこっちでいいのだ、と思った。

 訳の分からない話だけど私にとってはかなりいい思い出です。