無題

レッド・ファミリー [DVD]

レッド・ファミリー [DVD]

 

  観ました。面白かった。

 大概言い尽くされているようですが、予告を見る限り相当コメディ寄りに見えたものの蓋を開けてみればわりにシリアスでした。

 隣の家の喧嘩があんなによく聞こえるならこちら側の叱責なんかも丸聞こえだろうに班長が声量に気を使う様子が全くないのはおかしくないか?何か理由があるのか?とはじめは疑問に思いましたが何のことはない、「こまけえことはいいんだよ」的スタンスというだけだったようです。

 このような突っ込みどころは他にも多々あるし、展開も大体予想通り。つくりが雑という意見があるのは大変よく分かる。ただ個人的にはそういうのがあまり気にならないのと、むしろ製作側は上記のように「こまけえことはいいんだよ!」と開き直っているような感じすら受けたので楽しめました。結構テンポよく出来事をつめこんでいるし。

 この家族たちは北朝鮮工作員であるけれどもごく普通の心を持つ人たちで、やっぱりお互いに絆を持ってしまったり、罪のない対象を暗殺することをためらったりといったところを見せるので情を移してしまって、どうにか幸せになってくれという気持ちで最後まで見ました。

 ああやっぱりこの感じキムギドクだなーとか思って見ていたけどよく考えたらキムギドク作品観たことなかったわ。こないだTSUTAYAでずっと観たかった「悪い男」を借りるかどうかすごく迷って結局やめた(精神的にきつそうだから)わ。

 結局は韓国や資本主義のプロパガンダというかそれらを賛美してるじゃないか、というような感想をたまに見るけどこれはちょっとわからない。この作品になんらかの政治的なメッセージがあるとすれば、それこそ「話し合うべき」「お互いを敬うべき」以外にないのでは?

 劇中しょっちゅう出てくるこの「敬う」という言葉は儒教的な文化によるところが大きいんだろうなと思った。冒頭の、最初に箸をつけた子供を叱るシーンなんかは独特の文化が出ていて面白い。