トリック録画し忘れた

 大学に入ってすぐだったと思うが、ある授業でレポートを書いた。

 テーマは自由で、私はある問題についてイエスかノーかで答えるというようなものを書いた。考えようによってどちらにでも転ぶような問題だったが、私の感覚ではイエスしかありえないと思った。したがってその結論ありきで書くことにした。

 そもそも考えようによってどちらにもいけるような問題だった(かにみえた)のだし書きようによってどうにでもなると軽く考えていた。ところが、イエスであると言えるような根拠をいくつか挙げようとしているのに、その根拠を用いればどうやっても結論はノーにしかなり得ないのではないか、ということに途中で気付いてしまった。仕方なしに書き直した。

 ついさっき漫画の感想を書いていた。

 その漫画はおそらくその根底を貫いているのであろうテーマを疑問文の形でわかりやすく提示してはいた。が、私はただでさえ頭が悪い上に頭を使うのを面倒がってやらないのでたいがい表面的にしか読んでいない。漫画に限らず小説も映画も同様である。

 その疑問に対する答えがこの漫画の中で非常に大きな問題であることくらいさすがにわかっていたんだけど、それを考えるのは大変そうだし私の頭では時間がかかるし時間をかけたところで正しい答えに辿り着けるかわからないんだから今すぐ必死に考える必要はないじゃんと思った。よってとりあえず表面的な感想(表面的にしか読まなくても十分すばらしい漫画だった)だけを書き残しておくつもりで書き始めた。

 するとだらだら書いているうちに何となく自分の中である程度結論が固まってしまった。作者の意図と大幅にずれているとは思うけど。

 ものごとを理解するとか、それ以前に理解しようと深く考えることすら文字にするという過程なしにはちゃんとできないという事実が自分の駄目さを突きつけてくるようで嫌だなあと思った。ゆっくりでしか考えられないし可視化しなければ考えられない、そこまで噛み砕かないと重い腰を上げられないんだよな。

 もうちょっといろんなものをちゃんと見たい。でも明日になったらこう思ったことも忘れてるんだろう。

 

 あと全然関係ないんですけど、「ございます」を「ごじゃいます」って打ち間違えるような「文字なのに噛む」類のミスって、手とキーボードの間で間違いが起こっているのではなくて、頭で起こった間違い(それもケアレスミス)が修正される間もなくそのまま手を経てキーボードまで伝わってしまっているっていうことですよね多分。しかも考えたことを文字にするという過程ではどう考えても不要な「頭の中で発声する」という段階を踏んでるのも変だし、大体なんで頭の中で発声してるのに噛むんだ?本物の舌がもつれるからこそ噛むんじゃないのか?空想上の舌では噛みようがないじゃないか?って考えると面白いと思うんですけどこの文章力では全く伝わらないであろうことが本当に残念です。

 (追記)そもそもこれをなんで?おかしくない?って思うのが馬鹿なのかなって気がしてきた。別におかしくないのかもしれない。