Подросток

今週のお題「おとな」

 成人される皆様おめでとうございます。

 成人式や同窓会に行きたくないなーと思っている皆様、あんまり行きたくないなと思いつつ両方とも行った人間から言わせてもらえれば、多分行っても行かなくてもいいです。行ったら行ったでしばらく会ってない友達と会えたりしてまあまあ楽しかったけど、行かなかったとして別にすごく後悔した訳でもないんだろうなと思う。無理して行くもんじゃないです。

 ものすごいリア充で皆と本当に仲良し!常にクラスの中心でした!とかいう人でない限り、一番楽しいパターンは、成人式に行って同窓会には出ずに親しい友達だけと飲み会っていう流れじゃないでしょうか。個人的にはそう思います。

 

 大人になって分かったのは、ただたんに年を取っても「大人」にはなれないということです。大人になって、というのが適当でないなら成人して、でもいい。そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれないけれど、頭の悪い私はそれをわかっていなかった。

 大学に入ってすぐできた友達には浪人して年上の人がいて、随分ときちんとした大人に見えたものです。見えたというより実際そうだったんだけど、私はそれを年上だからだろうと思った。一年の差があるし、浪人というのは人をものすごく成長させるものなのかもしれないし。だから私も来年の同じ頃にはきっとこれくらいの大人になれるんだろうと無根拠に信じていた。

 ところが驚いたことに(当然なんですけど)、一年経ってもびっくりするくらい成長してなかった。もう馬鹿すぎてお恥ずかしいんですが、そこでやっと、あああれは彼女らが年上だったとか関係なく、本人の努力や資質によるものだったんだなと気付いた。多くの子供もそうでしょうけど、私も御多分に漏れずそれなりの年齢になれば自動的に然るべき振る舞いができるようになるものだと信じている子供でした。大学2年くらいまで気付かないっていうのはそうそういない気がしますが。

 自然とちゃんとした大人になれる訳ではないのだと気付いたからといって、大人になるために何か努力したかといえばそうではない。今振り返ってみたんですが、何にもできるようになってなくて愕然としました。飲食店の予約ができるようになって、とは言ってもできれば電話はしたくなくて、メーリングリストを使えるようになって、自動車の免許を取って、でもAT限定だし自分の精神衛生のためにも周囲のためにも実際に運転はしたくなくて、ああ、だめだ、本当にこれくらいしかない。

 レポートが書けるようになったとか外国語の能力がちょっと向上したとか言いたいところだけど、「それは本当に『できる』と言えるレベルなのか」と聞かれるとごめんなさいとしか言えないし、そもそも大人として必要な能力とは言えないだろう。そういうのじゃなくて「同年齢の男女との洗練された新しい交際を学ぶ」とか、人を率いるとか、自分の意見を論理的に構築し筋道立てて発信するとか、あるいは確定申告とかだろう。全滅です。確定申告は必要性がなかっただけだけど。ちなみに上に書いた友人のうち一人は確定申告をしています。偉いねと言ったら「(還付金が返ってくるので)したほうが得だからしてるだけ」と返されました。大人!!!こういうのなんだよ!!!

 大学卒業を3月に控えている今でも入学当時の上記の友人たちのレベルに全く至っていないです。「自覚を持ってちゃんと努力しているから」という答えを知ってるにも関わらず「どういう育ち方をしたらあんなに立派な人になれるんだろう」と人や環境のせいにするつもり満々で考えるあたりがだめなんだなあ。

 

 このめでたい時にめでたくないことを散々書きましたが、成人される方に言いたいのは「こういうことにならないように努力した方がいいですよ」ではなく、「こんな人間でも大学を卒業できる(予定)し、就職もできるんだから気楽に構えてください」です。