向日葵の咲かない夏

 

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

 読みました。話題作なので手に取りづらかったんですけど機会があったので買ってしまいました。

 

以下ネタバレ…と言ってもそこまで大した感想じゃないんですが。

 

 

 

どう見てもミカが怪しい、というのは誰しもがすぐ気付く点だとは思いますが、大抵の方がそうであるように

・トカゲである

・母親の「ミカ」と主人公の「ミカ」が違う

というのは明らかにされるまで分かりませんでした。特に後者はすごいですね。

初っ端から不条理かつその不条理に対する突っ込みが全く無いので、「そういう世界観」なのか「妄想の類」なのかの判断が難しい。しかも、ちょっと「あれ?これどういう意味なんだ?」ということが出てきても、おかしいことは他にもいっぱいあるためにそれが伏線なりヒントなりであるとなかなか気付かない。

 

あと、しばしば言われる「気持ち悪い」「後味が悪い」という点について。

散々言われているので覚悟していたというか、むしろそれを目当てに読んだのですが、予想した程ではありませんでした。

「悪者に報いがないまま終わるのが納得いかない」という意見も散見されましたが、現実ってそんなものでは。

 

結末に関しては、当初私は両親が主人公を助けて主人公だけ生き残ったのかな?と思ってました。でも主人公の性格を考えると主人公が両親を殺したと考えるほうがしっくりくる気がする。