折角の機会なので、印象に残っているけれど誰にも何も伝えた事の無い本についてたくさん書こう!と思ったのですが……なかなか難しい。さっきも書いていたんですけど中断してしまいました。

 引用だけですが、書き残しておきたかったので。詳細は省きます。この本、感想を書きたいんですけど15歳くらいからものすごおおおおおく少しずつ読んできていてまだ全く読み終わっていないので書けません。間違いなく面白いのですが(funnyではなくinterestingです、もちろん)精神的に大変疲弊するので少しずつしか読めません。

 

アレクサンドル・ソルジェニーツィン『収容所群島』より(章の終わりの注より引用)

(41)ヴラーソフの八歳になる娘ゾーヤ・ヴラーソワに捧げてこの小さい注を加えておく。彼女は父親をこよなく愛していた。彼女はもう学校で学ぶことはできなかった(彼女は悪口をたたかれた。「お前の父さんは妨害分子だ!」彼女はすぐ喧嘩を始めた。「あたしのパパは立派な人だわ!」)。彼女は裁判の後、僅か一年しか生きていなかった(それまでは病気をしたこともなかった)。その一年のあいだ一度も笑ったことはなかった。いつも頭を垂れて歩いていた。そして老婆たちは「あの娘は地面をじっと見入っているけど、もうすぐ死ぬよ」と予言した。彼女は脳膜炎で死んだが、臨終の床で「あたしのパパはどこ?パパをあたしに返して!」と叫びつづけた。

 私たちが収容所で死んだ数百万人を数える場合、その数字を二〜三倍にすることを忘れがちである。

(太字原文ママ)